子育てポスターシリーズ

香川大学と三木町の協同事業である「健やかあすなろプロジェクト」では、すべての親に子育てついて学ぶ機会を提供したいと考えています。その一環として作成されたのが、この子育てポスターシリーズ。保護者が体系的に子育ての方法を学ぶことで、子どもの健やかな育ちを促し、体罰のない子育てを目指します!

2ヶ月ごと全12回発行予定です。香川県内の全保育所、幼稚園、こども園に配布されることになっていますが、児童館や図書館、学童、子育て支援センター、コミュニティセンターなどにも配布し、多くの保護者の方に目にしてほしいと思っています。もし、配布にご協力いただけるようでしたら、ご連絡ください。送付いたします。

*子育てポスターシリーズ印刷用完全版は、こちらです。ポスターによって大きさが違うように見えますが、全部A4サイズで印刷されます。

最終回(2023年3月)

~子どもを見守る~

 子育ては、「自動車教習所」に似ているなと思います。教習所の先生は隣に座って、教習所内で運転のルールや技術を教えてくれます。どうすればうまくいくか教え、できるまで繰り返させます。これは子育てでもまったく同じです。先生があなたで、生徒は子どもです。教習所(家庭)でルールを守ることや、自分のことは自分でできるように生活の技術を教え、公道(学校や社会)に送り出します。
 大事なことは親が子どもが運転する車の助手席から降りて、ガソリンスタンドで待つことです。子どもは自分の意志で運転し、道に迷ったり、事故にあったりしながら徐々に運転が上手になります。その途中で疲れたり、元気がなくなったり、困ったらガソリンスタンドに立ち寄って、あなたにエネルギーをチャージしてもらう。そして、元気を取り戻して、また出発します。
 往々にして親は、心配のあまり子どもの助手席からおりず、子どものハンドルを握りしめて、運転する方向を勝手に決めたり、ブレーキやアクセルを踏んでしまいます。また、子どもの車を掃除したり、メンテナンスもしてしまいます。子どもは自分の車なのに自由に動かすことも、面倒見ることもしなくなり、助手席に誰かがいなくては何もできなくなってしまいます。
 さあ、勇気をもって、子どもを信じて助手席から降りましょう。そしてあなたがいるべき場所、ガソリンスタンドで楽しみに待つのです。子どもが立ち寄りたくなるガソリンスタンドになることを一緒に目指しませんか。

第11回(2023年1月)

~子どもの考える力を育てる~

 今回は子どもの考える力を育てることについてです。よく失敗すると親から怒られますが、実は失敗は成長のチャンスです。失敗しないように指示ばかりされていたり、失敗しないように親が先回りして転ばぬ先の杖のようなことをしていると、子どもは自分の頭でどうすればいいかを考えなくなってしまいます。そして、失敗を次に生かそうとする思考が育ちません。
 うまくいかないときこそ、考える力を育てるチャンスです。「○○しなさい」「なんで○○しないの?」「○○すればよかったのに」といったネガティブな言葉かけでは(よく言ってしまいますが)、子どもは安心して失敗することができません。答えのない問題に直面しても、果敢に取り組んでいけるようになるためにも、私たち大人は、子どもに「どうしたらいいと思う?」「次はどんなやり方でやってみる?」「あなたはどうしたい?どうなったらいいと思う?」など、前向きな質問をすることで、子どもが自分で考えることを促し、やってみることを励ましていきたいものです。子どもの成長をじっと待つことの大切さをポスターにこめました。

第10回(2022年8月)

~子どもの気持ち~

 子どもだった頃のことを大人はすっかり忘れてしまい、大人目線で子どもを見て、判断してしまうことはよくありますよね。忙しいのにいたずらされて、イライラ。余裕がないときに子どもにわめかれて、またイライラ。疲れているのに、だっこだっこと駄々こねられて、もっとイライラ。眉間にしわが寄って、つい「なんで、困らせるの!」って口調がきつくなってしまうこと。ありますよね。でも、困らせたいわけじゃない。怒らせたいわけじゃない。あなたが大好きで、こっちを見てほしい、聞いてほしい、だっこしてほしい。ただそれだけなんです。どうしたらうまく気持ちが伝えられるのかわからないんです。。。

第9回(2022年6月)

~子どもに教える~

子どもが生活し、自立するためには、様々な技術を習得しなければなりません。最初はあいさつをすることや食事、着替え、片付け、歯磨きや入浴などの衛生習慣に始まり、話すことや聞くことなどのコミュニケーション方法、字の読み書きや計算などの学習など、山のようにありますね。私たち大人は何でも簡単にできてしまいますが、子どもにとっては何でも初めてで難しいことはかりです。指先も思ったように動かないし、言われたことをすぐ忘れてしまいますし、まわりの物事がおもしろすぎて大人が教えようとすることに集中できないことも多々あります。
 

それなのに大人は「なんでできないの」と簡単に言ってしまいます。その言葉に子どもはとても傷ついているものです。怒ってもできるようにはなりません。不機嫌になられたり、イライラされると逆に委縮して失敗してしまいます。大人が一つずつ、くりかえし、くりかえし、やさしい声で教えてください。子どもは階段を一段一段、ゆっくりゆっくり登っていきます。時に立ち止まり、時に後ろに戻りつつ。それでも、自分の力で登ろうとするし、実際登れるのです。でも、大人が期待するほど上手にはできないかもしれません。大人に必要なのは、子どもができるまで見守る忍耐力なのでしょう。
 
 

第8回(2022年4月)

~子どもをほめる~

子どもをほめる、認めるという事は、子育てにおいて非常に大事です。私たち大人はよくダメ出しをし、ダメなところを直させることが教育だと思いますが、それでは子どもの心は育ちません。人はほめられたり、何かを達成したり、喜びを感じた時に、脳内にドーパミンという神経伝達物質が大量に放出されます。それはまるで、脳内に「いいね!スタンプ」が押されるような感じです。それがとても気持ちのいいものなので、人間はそれを求めて何度も同じ行動を取ろうとします。

その時に、「具体的に何がよかったか」を伝えることが大事です。ただ「いいね、すごいね、えらいね」と言われても、子どもは何がよかったのか、すごかったのかが全く分かりません。それでは、ドーパミンがほとんど出ず、よい行動を繰り返させることができませんし、やる気も育ちません。
 褒める時のコツは3つあります。
1.具体的に伝えること
2.経過に注目して伝えること(期待値に達していなくても、その手前で何度も声をかけて励ます)
3.ありがとう、助かったよという感謝を伝えること(感謝もほめ言葉、認める言葉です)
 
 

 よくほめることがないと嘆くお母さんがいますが、ほめることがないのではなく、見えていない、見ていないだなのです。できないこと、ダメなとこは目に付くので、すぐ言葉にして指摘(間違い指摘反射)してしまいます。いいところは当たり前だと思っていたり、静かにしている(うまくいっている)ので気が付かないのです。それを「見る、気が付く、言葉にする」ことで、ドーパミンを出し、親子関係もいいものにし、子どものやる気を育てることができます。

第7回(2022年1月)

~一貫したしつけでルールを教える~

子どもの自制心を育てるためには、親が一貫した態度と言葉でルールを教え、守らせ、できたことをほめるといった一連の適切なしつけが大切です。健康な生活を送るためにはリミットを知り、その範囲の中で調整しながら、計画実行していく必要があります。それを小さいころにルールをつくり、守ることで練習していきます。

これができていないと、大きくなった時に様々な誘惑に負けてしまい、計画したように物事を進めることができなくなってしまいます。親の言う事も何一つ聞かなくなってしまいます。もちろん、子どもはやりたいことをやり、やりたくないことはやらず、
後回しにしたいものです。ですから、親に絶えずチャレンジするわけです。
 泣いたり、わめいたり、聞こえないふりをしてみたりして、なんとか思い通りにならないか試すわけです。それが通ってしまうと、成功体験になり、間違った行動を繰り返し、親は怒ったり、なだめすかしたりと大変なことになります。
 

 簡単なのは一貫することです。親の機嫌によって変わらず、両親の間で変わらず、自分の行動でも変わらず、ルールが必ず実行されるとなると子どもは「これは本当に守らないといけないのだ」と納得してルールを守ることができます。

第6回(2021年8月)

~子どもの好奇心と積極性を育てる~

 こころの発達段階の1番目は、子どもに「安心感と信頼感」を育てることでした。前回のポスターで2番目の発達段階である「自分の気持ちや意思を伝える」ことについて扱いました。そして、今回は3番目の段階である「好奇心と積極性を育てる」ことについて描いてみました。

 こころの発達がここまで来ると、家庭の外に興味の対象が広がり、好奇心が芽生えます。何かを見たり、聞いたりしたときに「おもしろそう!」「楽しそう!」「やってみたい!」と自ら興味を持ち、知りたい、やってみたいと物事に積極的に取り組んでみたいという意欲が生まれます。

 その時の大人の対応が、子どものその後の発達に大きく関わってきます。それが大人にとって、くだらないことだったり、時間の無駄と思えることだったり、やるべきことを優先すべきだと思うこともあるでしょう。それでも、子どもの好奇心を無下にせず、大事に育ててやりたいものです。

「やってごらん!できるまで待ってるよ」という大人が子どもの気持ちを尊重し、関心をもって寄り添い、子どものペースでできるまで待つことができる姿勢が貴重です。それが、子どもの心を豊かにし、積極的に自分の人生に取り組んでいく礎になります。なぜなら、「たくさんの出会いと体験が、ときめき、ひらめき、やるきを育てる」からなのです。

第5回(2021年6月)

~子どもの意思を育てる~

 親子の安心感や信頼感ができて、居場所ができたら、子どもは安心して自分の気持ちや意思を伝えられるようになります。それが第2段階のこころの発達です。

私たちは、それを「イヤイヤ期」とか「反抗期」(思春期)と呼んでいますが、そんなネガティブな呼び方をする必要はありません。心が正常に発達していればこそ、意思が生まれ、伝えることができるようになります。でも、きちんと気持ちを聞いてあげられなかったり、親の意見を良かれと思って押し付けたり、子どもの気持ちを無視することが続くと、子どもは意思をもつことを諦めてしまいます。すると、次への階段が上がれません。

子どもの気持ちや意思が親の理想でなかったとしても、親としては正しくない事だったとしても、聞いてあげてほしいと思います。「自分がどうしたいか」を考えること。それが自分をもつこと、自立して生きていくことにつながるのですから。

第4回(2021年4月)

~子どもの居場所をつくる~

 居場所ってなんでしょうか。

 子どもが学校にも家にも居場所がないと、ネットの世界に自分の居場所を見つけて息ができるようになります。生きづらくて、わかってもらえなくて、誰にも認めてもらえなくて、自分が自分を大嫌いで、未来が不安で、苦しくて。そんな思春期を過ごす子どもはたくさんいるのではないでしょうか。

 1割程度だったうつ状態の小学生が、中学生になると2割になります。このコロナ禍で調査したら4割の学校もありました。家には自分の部屋があるけど、そこにこもれば誰からも邪魔されないのに、居場所だと感じない。居場所って物理的な場所じゃなくて、安心感という概念かもしれません。

最初、男女の中学生がくらーくスマホを凝視しているイラストと、斜め上を向いている、少し微笑んだイラストの二つが入ったポスターを作りました。そして、ここにある言葉。生きてていいんだ。なんか、自殺予防のポスターみたい、ネット依存予防のポスターみたいっていう感想が多数。それで、もう1回描きなおしました。

 伝えたかったんです。居場所をつくってほしい。そうしたら、ネットだけが居場所になることはないし、思春期をずっと鬱々して過ごすこともないよって。私の子育ての反省をこめて伝えたかったことは、子どもに必要なのは居場所だということ。

この大きな木、「この木、なんの木、気になる木」のモンキーポッド。日本名は「アメリカネムノキ」。花言葉は「安らぎ」です。子どもの心に「ネムノキ」を。

第3回(2021年2月)

~親じゃない自分も大切にする~

 子育てでイライラして、子どもを必要以上に叱りつけてしまった、八つ当たりをしてしまったということは誰でもあると思います。子育ても仕事も家事も炊事も、ぜんぶ一人で抱え込んで忙しく、何事も一生懸命で生活に余裕がないなんてこと、ありませんか?イライラしてしまう原因の一つは、自分自身の「こうあるべき」という考え方かもしれません。

お母さんはダラダラ寝てたらいけない。
自分のことより子どもを優先しなくちゃいけない。
自分の気持ちを抑えても姑小姑とうまくやらなきゃいけない。
自分の未来を考えるより子どもの未来に投資しなくちゃいけない。
自分さえ我慢すれば。自分のことなんて考えちゃいけない。

あなたを苦しめているのは、実はあなた自身かもしれません。もっと自分を大切にしていいんです。

自分の気持ち。自分の時間。自分の楽しみ。自分の未来。自分の「こうあるべき」から少しだけ解放し、自分を大切にしてみましょう。そうすると、子どもや夫、周りの人へのイライラやモヤモヤが消えて、余裕ができ、笑顔が生まれるのです。

あなたが笑顔でいられることは、あなた自身のためでもあるけど、家族のためでもあるのです。自分を大切にしましょう。

第2回(2020年12月)

~子どもの信頼感を育てる~

 子どもが親に求めることの一つに自分への関心があります。「見てほしい、聞いてほしい、わかってほしい、困ったときは手を差し伸べてほしい」という気持ちです。親はもちろん、子どもに関心があります。でもそれは「親目線の関心」ではないでしょうか?例えば、子どもが勉強についていけているか、希望校に合格できるか、習い事で成果を出しているか、ゲームをしすぎていないか、同級生にいじめられていないか、人に迷惑をかけていないか、などなどです。

ここでいう関心は、「子ども目線の関心」です。子どもが望む、親からの注目や理解やサポートです。するべきことは簡単です。「1日1分でいいから目を見て話を聞くこと」です。

私たちは忙しいので、つい「後にして」と言ったり、スマホに気を取られて子どもの話に生返事したり、注目を十分与えず、冷たい態度を(そのつもりはなくても)とってしまうことがあります。そうすると、子どもは話すことを諦め、困ったことがあっても話すことができなくなります。

目を見て話すと、言葉以外の表情やしぐさから子どもの心が見えてきます。本当の気持ちや本当の願い。本当はそう思っていなくても、親が望んだことを口にしてしまうことはよくあります。心配をかけたくなくて、本当のことは言えないこともたくさんあります。でも親から本当の気持ちをわかってもらえたとき、その喜びが人を信じる心を育てるのです。

そして、困ったときに突き放されることなく、信じるあなたがそばで一緒に考えてくれると、子どもはとても心強く、あったかい気持ちになるのです。あなたの温かい態度を見本にして、「自分がしてもらった嬉しいことを誰かにしてあげたい」と思うようになり、よりよい人間関係を築いていく礎になります。それが大きな財産となるのです。

第1回(2020年10月)

~子どもの自信とやる気を育てる~

 子どもが生まれたときは、床にたくさんのつみ木がばらまかれている状態です。子どもと目が合ったとき、笑ったとき、首が座ったとき、立ち上がったとき。一つ一つの発達はつみ木を上に重ねていく作業と同じです。人は誰でもつみ木を一つずつ積み重ねていきています

しかし、私たちはそんなつみ木を認めるよりは、まだ積みあがっていないつみ木、隣にある高く積みあがったつみ木が気になって仕方ありません。「うちの子だけ、できてない」と他の子どもと比べたり、ダメなところはよく目についてしまいますから、つい責めてしまいますね。

目の前の、あなたの子どもの「つみ木」だけをみませんか。それだけを見ると決めると、案外気持ちが楽になります。そして、「よくがんばったね」と伝えましょう。子どもは自分のつみ木が好きになります。それが「自信」です。すると、子どもは安心して、もう一つつみ木を積み上げてみようと思います。それが「やる気」です。

そのつみ木を見守り応援しましょう。子どもに伝えつづけましょう。「あなたはがんばっている。あなたのつみ木が大好きだよ」と。思春期になったら、悩みも苦しみもたくさんあるのに、一人で抱えてしまいます。自分のつみ木が好きな子は、「大丈夫。今までも頑張って進んできた。だからこれからも進んでいける」と迷い悩む自分の背中を押せるのです。だから今、繰り返し伝えていきましょう。

よくがんばっているね。あなたのつみ木が大好きだよ」と。

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